
「IPV6ってなに?切り替えるとネットが速くなるって聞いたけど本当?」

専門用語で言葉を聞いただけじゃ、何のことかわかりませんよね。
この記事では、そんな疑問を持つ初心者の方に向けて、IPV6の仕組み・違い・対応状況の確認方法・設定方法・改善策までをわかりやすく解説します。
IPV6とは?初心者でもわかりやすい基本のキホン
IPV6とは?ざっくり言うとこういう仕組み
「IPV6(アイピー・ブイ・シックス)」は、インターネットの“住所”のようなものです。
今まで使われていた「IPV4(アイピー・ブイ・フォー)」という仕組みでは、世界中の人に割り当てる住所(IPアドレス)が足りなくなってきました。
そこで、新しいルールとして登場したのが「IPV6」です。
◆ かんたんに言うと…
→ インターネット上で、より多くの人がスムーズにつながるための「新しい住所の仕組み」なんです。
IPV4との違いは?混雑しにくい通信方式という点がカギ
IPV4とIPV6の大きな違いは、IPアドレスの数と方式(PPPoE/IPoE)の違いです。
項目 | IPV4 | IPV6 |
アドレスの数 | 約43億個で枯渇しかけている | ほぼ無限に近い数を使える |
通信の方式 | PPPoE | IPoE |
通信速度の傾向 | 夜に遅くなることがある | 安定しやすく速いことが多い |
特に注目すべきは、「IPoE接続(アイピー・オー・イー)」という新しい方式を使っていること。
これにより、夜などインターネットが混みやすい時間帯でも通信がスムーズになるケースが多いんです。
IPV6が必要とされる理由|「住所不足」と「速度改善」
IPV6が使われ始めたのは、主に次の2つの理由からです。
- インターネット人口の増加による“住所不足”の解消
→ スマホやパソコンだけでなく、家電や自動車までネットにつながる時代になり、アドレスが足りなくなりました。 - より速く・安定した通信を実現するため
→ 特にリモートワークや動画配信サービスの普及により、「速度が安定しているか」は非常に大切なポイントになりました。
まとめ:IPV6とは?
- インターネットの新しい“住所ルール”
- 混雑に強く、夜でも通信が安定しやすい
- 近年のネット利用に欠かせない技術になりつつある

このように、IPV6は「専門的なもの」ではなく、わたしたちが毎日使っているネットを快適にする仕組みの一つです。
IPV6にすると本当にネットは速くなる?

「IPV6にすれば、夜でも速くなるよ」
そんな話を聞いたことがある方も多いと思います。
では実際に、どんな理由で速くなるのか?

本当にすべての人に効果があるのか?をわかりやすく見ていきましょう。
IPV6のメリット|夜でも通信が安定しやすい理由

IPV6が「速い」と言われるのは、次のような理由があります。
➡IPV6が速くなる理由
- プロバイダがに広い回線帯域を確保してくれる
- 映画のストリーミングやゲームでもラグが減ることが多い
たとえるなら…
IPV4は「混んだ一般道」、IPV6は「すいている高速道路」
→ 同じ目的地でも、IPV6のほうがスイスイ進みやすいのです。
IPV6の注意点|誰でも速くなるわけじゃない

とはいえ、「IPV6にすれば絶対に速くなる」とは言い切れません。
以下のようなケースでは、あまり効果を感じられないこともあります。
効果が出にくいケース
- 集合住宅でVDSL方式(電話線タイプ)の回線を使っている
- 使用中のルーターがIPV6非対応
- IPV6に対応していないサイトやアプリを使っているとき
▼ポイント
IPV6を活かすには、「回線」「ルーター」「サービス」すべてが対応していることが大切です。
IPV6がおすすめな人・そうでない人の違い
以下に、IPV6がおすすめな人と、そうでない人の特徴をまとめました。
おすすめな人 | あまり効果が期待できない人 |
夜に動画やゲームで通信が遅いと感じる人 | すでに光回線+IPV6で安定している人 |
マンションでIPv4しか使っていない人 | VDSL方式(電話線タイプ)で配線されている人 |
リモートワークやオンライン会議が多い人 | 通信量の少ない用途(SNSや軽い検索中心)な人 |
まとめ:IPV6の効果を得るには?
- 「IPV6対応のプロバイダ+ルーター+使用環境」がそろっていることが条件
- 速くなるのは、「混雑を避けられる設計」になっているから
- 効果が出やすいのは、夜に遅さを感じている人や動画をよく見る人
自分のネット環境がIPV6に対応しているか確認しよう

「IPV6が良さそうなのはわかったけど、自分の家のネットは対応してるのかな?」
ここでは、自宅のネット回線やルーターがIPV6に対応しているかどうかを調べる方法を3つのステップで紹介します。
契約中の回線・プロバイダがIPV6対応か調べる

まずは、契約しているインターネット回線(プロバイダ)がIPV6に対応しているかを確認しましょう。
調べ方
- 契約時のメールや書類に「IPV6」「IPv6オプション」「IPoE」などの記載があるか確認
- プロバイダの公式サイトで「IPV6対応状況」や「接続方式(IPoE)」をチェック
- わからない場合は、マイページやカスタマーサポートに問い合わせればOK
例:ソフトバンク光、ドコモ光、ビッグローブ光などは、IPV6オプションを無料で提供している場合が多いです。
今使っているルーターがIPV6対応か確認する

プロバイダがIPV6対応でも、使っているWi-Fiルーターが非対応だと効果は出ません。
確認方法
- ルーター本体に貼られたラベルの「型番(例:WSR-2533DHP2など)」をチェック
- 型番を検索して、メーカー公式ページで「IPV6対応」と書かれているか確認
- 「IPoE対応」や「IPv6パススルー対応」の記載があればOK
補足:
2020年以降のルーターであれば、多くはIPV6に対応していますが、念のためチェックを!
現在の接続がIPV6かどうかをチェックする方法

最後に、実際に今ネットが「IPV6でつながっているか」をチェックしましょう。
無料サイトで簡単に確認できます。
チェック方法
- ブラウザで「https://ipv6-test.com/」にアクセス
- 「Your IPv6 address」や「IPv6 connectivity」の項目を確認
- 「接続されています」やスコアが高ければIPV6で接続中です
表示例 | 状態 |
IPv6 connectivity: Supported | IPV6で接続できている |
IPv6 connectivity: Not Supported | IPV6が使われていない状態 |
「Not Supported」と表示された場合は、次章の設定を行うことでIPV6接続に切り替えられる可能性があります。
まとめ:IPV6対応状況のチェックポイント
- 契約中のプロバイダがIPV6(IPoE)対応か?
- 使っているルーターがIPV6に対応しているか?
- 実際に今、IPV6で接続されているか?

確認ができたら、次は「IPV6に切り替える方法」をステップごとに見ていきましょう!
IPV6に切り替える方法|設定・申込みのステップ

「自分のネット環境はIPV6に対応してなかった…」

そんな方も大丈夫。ここでは、誰でもできるIPV6への切り替え方法をわかりやすく紹介します。
プロバイダでのIPV6申込み手順(主要サービス例つき)

まずは、契約しているプロバイダでIPV6の申込みを行いましょう。
多くの場合、無料で申込みできます。
一般的な申込手順
- プロバイダのマイページにログイン
- 「接続方式の変更」や「IPV6オプション」の申込みを選ぶ
- 申込み完了後、メールやマイページに案内が届く
主要プロバイダの例
プロバイダ | IPV6申込み方法 |
ソフトバンク光 | 自動適用(機器・設定が整えば利用可能) |
ドコモ光(GMO等) | マイページから申込みが必要 |
ビッグローブ光 | 初期申込み時に「IPv6利用」を選択 |
補足:新規契約時に自動でIPV6が設定される場合もありますが、「手動申込み」が必要なケースもあるので確認を!
ルーター設定でIPV6を有効化する方法

申込みが済んだら、次は自宅のルーター側の設定を確認します。
設定方法の例(一般的なWi-Fiルーター)
- スマホやPCからルーターの管理画面にアクセス(例:http://192.168.0.1 など)
- ログインして「インターネット設定」や「接続方式」の項目を開く
- 「IPV6」や「IPoE接続」「IPv6パススルー」を“有効”に設定する
ルーターの設定がわからない場合は、型番で検索すればマニュアルが見つかります。
例:「WSR-2533DHP3 IPV6 設定」などで検索するとOK。
切り替え後に接続を確認する方法と注意点
設定が完了したら、本当にIPV6でつながっているか確認しましょう。
確認方法(おさらい)
- 「https://ipv6-test.com/」にアクセス
- 「IPv6 connectivity」が「Supported」になっていれば成功!
注意点
- 設定後に反映されるまで数分〜数時間かかることもある
- ルーターの再起動や、パソコンのネット再接続が必要な場合あり
- IPoE対応プロバイダなのにPPPoEのままだと速くならない場合があるので要確認
まとめ:IPV6への切り替えステップ
- プロバイダでIPV6を申し込む(または確認)
- ルーターの設定を「IPV6有効」に変更
- 接続確認サイトで、切り替え後の状態をチェック!

これでIPV6の設定は完了です!
それでも

「まだ遅い気がする…」
という場合は、環境自体に問題があるかもしれません。
次章では、「IPV6にしても遅いときの改善策」を解説していきます。
IPV6にしてもネットが遅いときの対処法

「IPV6に切り替えたのに、まだネットが遅い…」
そんなときは、回線そのものや住んでいる環境に原因がある可能性があります。
ここでは、よくある原因とその対策を紹介します。
集合住宅でVDSL方式だと速くならない可能性あり
マンションやアパートに住んでいる場合、「VDSL方式」と呼ばれる配線だと通信速度が物理的に制限されていることがあります。
VDSLとは?
- 建物までは光回線でも、各部屋へは「電話線(メタル線)」で接続されている方式
- 最大速度が100Mbps程度で、IPV6でも速度改善が限定的になりやすい
対策
- 建物が「光配線方式(LAN直結)」に対応していないか確認
- 管理会社や大家さんに「光配線方式に切り替え可能か」相談する
- どうしても難しい場合は、別の回線やホームルーターの検討も視野に
ポイント:IPV6はあくまで“通信方式”。建物の物理的な制限があると限界があります。
プロバイダが混雑しているなら乗り換えも検討
IPV6に対応していても、プロバイダ自体の回線が混雑している場合は速度が出ないことも。
見直しのサイン
- 「速度改善したい」とサポートに問い合わせても対応が曖昧
- ネットの口コミでも「夜間に遅い」という声が多い
- 友人や家族の回線(別のプロバイダ)と比べて明らかに遅い
対策
- IPV6+IPoE+通信品質に定評があるプロバイダへ乗り換えを検討
- キャンペーンを活用すれば、初期費用や解約金が実質無料になることも
おすすめのIPV6対応プロバイダ・回線を比較
以下は、IPV6対応かつ通信品質が安定していると評判の回線の一例です。
回線名 | 通信方式 | 評判の特徴 | 月額目安 |
ドコモ光(GMO) | IPV6(IPoE) | 通信が安定、混雑時にも強い | 約4,400円 |
ソフトバンク光 | IPV6(IPoE) | 自動適用で初心者でも安心 | 約4,400円 |
ビッグローブ光 | IPV6(IPoE) | 乗り換え特典が豊富でコスパ◎ | 約4,180円 |
NURO光 | 独自網+IPV6 | 超高速(2Gbps〜)&低遅延 | 約5,200円 |
回線選びは、価格だけでなく混雑の少なさや評判の良さも重要です。
まとめ:IPV6にしても遅いときは?
- 建物の配線(VDSL)やプロバイダの混雑が原因の可能性
- 速度が改善しないなら、回線そのものの見直しも検討
- IPV6対応+通信が安定しているプロバイダへ乗り換えるのも手
よくある質問(Q&A)
Q1. IPV6にするとスマホやタブレットの通信も速くなるの?
回答

自宅のWi-Fiを通じて通信している場合、ルーターがIPV6対応ならスマホやタブレットも恩恵を受けます。
ただし、モバイル回線(4G・5G)を使っている場合は、IPV6とは関係ありません。
Wi-Fi環境で動画やSNSを使っていて「遅い」と感じるなら、IPV6での改善が期待できます。
Q2. IPV6に切り替えるだけで本当に速くなるの?
回答

多くの場合は速くなりますが、必ずしも全員に劇的な変化があるわけではありません。
改善されやすいのは以下のような人です。
- 夜間に動画が止まりやすい人
- オンラインゲームや会議でラグが多い人
- 通信量が多く、混雑時に遅くなる人
重要なのは、「IPV6+IPoE接続」で、かつ使用中のルーターやプロバイダも対応していることです。
Q3. セキュリティ面は大丈夫?IPV6は危なくないの?
回答

IPV6は新しい通信方式ですが、しっかりとしたセキュリティ対策が用意されています。
ただし、以下のような基本的な対策は必要です。
- ルーターの初期パスワードを変更する
- OSやアプリを最新の状態に保つ
- 不審なサイトやアプリを使わない
IPV6だから危険、ということはなく、むしろIPV4よりセキュリティ面で強化されている部分もあります。
Q4. 切り替えたけど速度が変わらない…なぜ?
回答
以下のようなケースが考えられます。
- 建物がVDSL配線(電話線)で速度制限されている
- ルーターが古くてIPV6に対応していない
- プロバイダのIPV6通信が混雑している
その場合は【第5章】を参考に、ルーターの買い替えや回線の乗り換えを検討するのが効果的です。
この章のまとめ:
- IPV6はルーター・ブロバイダが対応していればWi-Fi機器すべてに効果がある可能性あり
- 完全な改善には、接続方式・機器・回線の見直しがセットで必要
- 安全性も問題なく、基本的なセキュリティ対策をしていれば安心
まとめ|IPV6を理解すればネットの不満が解消できる

「夜になるとネットが遅い…」

「リモート会議や動画が止まってイライラする…」
そんな悩みを抱えていたら、IPV6はその解決のカギになるかもしれません。
この記事でわかったことまとめ
ポイント | 内容 |
IPV6とは? | インターネットの“新しい住所の仕組み”。IPV4の後継で、通信が混雑しにくい |
IPV6のメリット | 夜でも安定しやすく、動画やゲームのラグが減る可能性がある |
対応状況の確認方法 | プロバイダ、ルーター、接続状況をそれぞれチェックできる |
切り替え方法 | プロバイダでの申込み+ルーター設定で簡単に切り替え可能 |
それでも遅いとき | 建物の配線方式やプロバイダの品質が影響している可能性あり |
今すぐできる3ステップ
- 自分のネット環境がIPV6対応かどうか確認する→ プロバイダ・ルーター・接続確認サイトをチェック!
- IPV6に切り替えてみる→ 設定手順は思ったよりシンプル。やってみる価値あり!
- それでも改善しなければ回線の見直しも検討→ VDSL方式や混雑プロバイダの場合は、乗り換えで改善することも!
ネットのストレスは「設定の一工夫」や「見直し」で驚くほど改善します。

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